第8回 杉野印刷コラム
なぜ赤い文字は目立つの?色が持つ不思議な力
~目立つ色と、伝わる色はちょっと違う?~
第1部|赤い文字は、どうして目に入るの?
街を歩いていると、「SALE」「大特価」「本日限定」など、赤い文字をよく見かけませんか?
チラシやポスターでも、大切な情報に赤色が使われることがあります。
赤は鮮やかで、周囲の色との組み合わせによって強く目を引く色です。また、注意や警告などにも使われるため、重要な情報を連想する人も多いでしょう。
でも、赤色なら必ず目立つのでしょうか?
実は、そうとは限りません。
色の目立ちやすさは、その色だけでなく、周囲の色や明るさによっても変わるのです。
第2部|目立つ色は、背景によって変わる?
例えば、白い紙に赤い文字を書くと、はっきり目立ちます。
では、赤い背景に赤い文字を書いたらどうでしょう?
同じ赤色でも、背景と似ているため、文字は読みにくくなってしまいます。
反対に、黒い背景に白い文字を使うと、色の明るさに大きな差が生まれ、文字が見やすくなります。
このような色の差を「コントラスト」といいます。
チラシやポスターでは、目立たせたい部分と背景のコントラストを考えることが大切です。
目立つ色を選ぶことより、目立つ組み合わせを考えることがポイントなのです。
第3部|色によって、受ける印象も変わる?
色には、見た人にさまざまな印象を与える働きがあります。
例えば、赤は活気や情熱、青は落ち着きや信頼感、緑は自然や安心感を連想させることがあります。
そのため、飲食店の広告では暖かみのある色を使ったり、企業案内では落ち着いた色を選んだりすることがあります。
ただし、色の感じ方には個人差があり、文化や経験によっても変わります。
「赤を使えば売れる」「青なら信頼される」という単純なものではありません。
色は、人の気持ちを必ず動かす魔法ではなく、伝えたいイメージを助ける道具なのです。
第4部|色を使いすぎると、逆に目立たない?
チラシを作るとき、「大切なところは全部目立たせたい!」と思うことがあります。
そこで、赤・黄・青・緑など、たくさんの色を使ったらどうなるでしょう?
すべてが目立ってしまい、どこを最初に見ればよいのかわからなくなることがあります。
そんなときは、基本となる色を決めて、特に伝えたい部分だけにアクセントとなる色を使う方法があります。
例えば、全体を落ち着いた色でまとめ、キャンペーンの日付だけを赤色にする。
それだけでも、大切な情報が見つけやすくなる場合があります。
色は増やすだけでなく、使う場所を絞ることも大切です。
第5部|「目立つ」と「読みやすい」は同じではない?
最後に、もうひとつ大切なお話です。
目立つ色を使っていても、文字が読みにくければ、情報はうまく伝わりません。
例えば、鮮やかな黄色の背景に白い文字を置くと、明るさの差が小さく、読みにくくなることがあります。
また、赤と緑など、色の組み合わせによっては、色の見え方に個人差が生じやすい場合もあります。
そのため、文字の大きさや太さ、背景との明るさの差も考えることが大切です。
色だけで情報を区別せず、文字や記号を組み合わせる工夫も役立ちます。
大切なのは、目立たせることだけでなく、誰にでもできるだけわかりやすく伝えることです。
まとめ|色は、使い方で伝わり方が変わります
赤い文字が目立つのは、赤という色の特徴だけが理由ではありません。
背景との組み合わせや、周囲の色、文字の大きさなど、さまざまな要素が関係しています。
また、色には印象を伝える働きがありますが、使いすぎるとかえってわかりにくくなることもあります。
「目立つ色」よりも「伝わる色」を考えること。
それが、チラシやポスターだけでなく、普段の資料づくりにも役立つ色の使い方です。
次に街の看板や広告を見かけたときは、「なぜこの色を使っているのかな?」と、少しだけ注目してみてはいかがでしょうか。
いつもの景色が、ちょっと違って見えるかもしれません。